沿革
カシミール地方で起きたM7.6の地震により、7万人以上が亡くなり、300万人近くが家を失ったとされます。被災して下半身不随となった女性たちのなかには、家族からも見捨てられ、イスラマバード郊外のゴーラ村にある障害者のための避難所に移り住んだ人々もいました。
パキスタンで起業した高垣絵里は、避難所の女性たちが心身に深い傷を負いながらも、庇護を受けて暮らすよりも自分たちの力で生きたい、という力強い意思を示したことに強い感銘を受けました。以前に出張先のウガンダの村で多くの女性たちが集まって楽しそうに紙からビーズをつくっていたのに着想を得て、避難所で車椅子に座ったままでも生計を得ることができる手段として、ペーパービーズづくりを紹介しました。
高垣は、開発援助コンサルティング会社を経営する傍ら、奉仕活動に積極的な所属するロータリー・クラブ・の協力も得て、画期的な紙のリサイクルプロジェクトとして、ペーパーミラクルズを立ち上げました。文字通りいつでもどこでもつくることができるペーパービーズは、女性たちが恊働しながら互いにスキルを磨きあうことができる点でも、実に理想的でした。
ペーパーミラクルズの活動を継続的に行うため、社会貢献を主目的とする法人組織としてミラクルズ・トラストが設立されました。その活動の場は、イスラマバードだけでなくパキスタン北部や南部にも広がり、就業や外出の自由が制限されている女性たちに継続的な収入を得る機会を与えることに積極的に取り組んでいきました。
各国の外交関係者など多くのサポーターから支持を受け、パキスタン国内の展示会やバザーへの参加、ファッションショー等のファンドレイジングイベントなど、意欲的な活動を行っています。また、日本をはじめとして国外での事業展開も進めています。